借金返済で土俵際ひとりで踏ん張る

私が借金したのは10年ほど前で売れないお笑い芸人だった頃だ。

売れないお笑い芸人というものは頑張れば頑張るほど金がなくなっていくものだ。チケットノルマ、衣装代、ネタ作りのためのファミレス代などをアルバイトの収入で賄う。ギリギリだ。

それでもアルバイトさえ続けていればギリギリなんとかなるが、当時の私は次の仕事のあてもないのにアルバイトをやめてしまった。金がなくなるのは当然だ。

最終的に消費者金融に借りることになった。親には借りたくなかった。

消費者金融に借りたときには次の仕事であるホテルの清掃が決まっていた。だからホテルの清掃の仕事さえ頑張ればよかった。

仕事が決まる前は夏で毎日、そうめんを食べていた。本当に毎日そうめんを食べていたので口内炎が治らなかった。一か月ずっと口内炎だ。そうめんを食べるのにヒーヒーいっていた。

だから仕事が決まってお金を借りられるようになると私の場合、峠は越えていたといえる。ただ仕事をして”実際に”返さなければしょうがない。

ホテルの清掃の仕事は問題なかった。慣れるのは簡単だったし、人間関係も私は若い男だったので難しくなかった。女性だったら難しかったろうと思う。

仕事は順調にいって毎月決まった額を期日に返済していた。問題なしだ。

ところがある日腰痛になってしまった。バスタオルで浴槽を拭く仕事があるのだが、大量にやりすぎたようだ。いったん仕事辞めて実家帰って立て直すことも考えたが、踏ん張ったら踏ん張れそうだったので我慢して続け、借金は完済した。

腰痛はあとでさらに悪化し清掃の仕事を辞め、95パーセント治った。しかし100パーセントは治らない。最初の段階でやめてれば違う未来だったろう。